目次
海外旅行の準備
海外旅行は楽しみが大きい一方で、不安も大きくなります。海外で事故にあったら?病気にかかったら?一体どうなるのでしょうか?
case 1
同乗していた車が事故 治療費に900万円(自己負担が200万円以上に)
case 2
突発性の難病で治療に2,300万円(自己負担が1,300万円以上に)
www.aiuhoken.co.jp

海外では日本に比べ治療費が高額になるのが一般的です。例えば、ホノルルやロサンゼルスなどで盲腸(虫垂炎)の手術をして入院すると、数百万円かかるといわれています。
・ホノルルでの盲腸の手術費用…2,560,000円
soudanguide.sonpo.or.jp
2014年の海外旅行での事故のデータ
JTB広報室ではジェイアイ傷害火災保険のデータを公表しています。これによると2014年では「何らかの事故」発生率は3.53%。300万円を超える高額医療事故は(母数がわからないのですが)72件。
注目したのは「補償項目別事故件数」です。
1位 | 治療・救援費用 | 45.9% |
2位 | 携行品損害 | 34.9% |
3位 | 旅行事故緊急費用 | 16.5% |
補償額の支払件数の半分近くが「治療・救援費用」です。補償額ベースであれば、実際に掛った費用での比較ができるので、死亡事故との比較が簡単ですが、そうではないのが残念ですね。*1(大きな事故ほどかかる費用が大きいという前提に基けばですが。)私はこのデータを見て死亡補償よりも治療・救援費用の補償に対して保険金額を手厚く掛ける必要があると思いました。2014年の最高補償額は9,335万円で、アメリカでの49日間入院・手術、家族駆けつけの費用だそうです。
実は、海外旅行の勉強会でのファイナンシャル・プランナーの話を聞くまでは、クレジットカード付帯の保険で充分だと思っていました。でもそれだけでは不十分だという話だったので、自分なりに主なカードについて調べてみました。
クレジットカードの補償額
このデータは海外旅行のみです。国内旅行は別の条件になっています。
調べたのはマイラーであれば所持することが多い、「ANA VISAゴールド」「アメリカンエキスプレス ゴールド」「ジャックスエクストリーム」です。
いずれも、保険の付帯は最長90日間です。
海外旅行事故への補償額一覧
本会員
項目 | VISAゴールド | エクストリーム | アメックスゴールド | アメックスゴールド |
カード利用 | 自動付帯 | 自動付帯 | 利用付帯(利用したとき) | 自動付帯(利用しないとき) |
傷害死亡 | 5,000万 | 2,000万 | 1億 | 5,000万 |
傷害治療費用 | 300万 | 200万 | 300万 | 200万 |
疾病治療費用 | 300万 | 200万 | 300万 | 200万 |
賠償責任 | 5,000万 | 2,000万 | 4,000万 | 4,000万 |
携行品損害 | 50万 | 20万 | 50万 | 50万 |
救援者費用 | 500万 | 200万 | 400万 | 300万 |
家族会員(VISAゴールドとジャックスエクストリームは本会員と同じ)
項目 | アメックスゴールド | アメックスゴールド |
カード利用 | 利用付帯(利用したとき) | 自動付帯(利用しないとき) |
傷害死亡 | 5,000万 | なし |
傷害治療費用 | 300万 | なし |
疾病治療費用 | 300万 | なし |
賠償責任 | 4,000万 | なし |
携行品損害 | 50万 | なし |
救援者費用 | 400万 | なし |
家族特約(家族にも保険がかかる特約です。エクストリームは家族特約はありません。ジャックスカードゴールドにはあります。)
項目 | VISAゴールド | アメックスゴールド | アメックスゴールド |
カード利用 | 自動付帯 | 利用付帯 | 自動付帯 |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万 | 1,000万 |
傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 | 200万円 | 200万円 |
賠償責任 | 2,000万円 | 4,000万 | 4,000万 |
携行品損害 | 50万円 | 50万 | 50万 |
救援者費用 | 200万円 | 300万 | 300万 |
自動付帯はクレジットカード所有により自動的に保険がつきます。
利用付帯は当該旅行代金をクレジットカードで支払うことで、保険がつきます。
複数のクレジットカードがある場合
死亡・後遺障害保険金は最も高い金額を限度に保証が受けられます。例えば最高額が5,000万円の補償のカードと1億円のカードがあれば、1億円を限度に保証が受けられます。
死亡・後遺障害以外の補償は上限額が合算されます。例えば傷害治療費用の最高額が300万円の補償のカードと200万円のカードがあれば、合算して500万円を限度に保証が受けられます。
では、どうするか
手元のクレジットカードは7枚(自動付帯)なので、これで傷害疾病治療補償と救援者費補償が2000万円以上になります。なので次のような基本方針にしました。
基本方針
- 修行など自分(カード保持者)一人で行くのであれば(複数の)クレジットカード付帯保険で充分
- 家族旅行では家族の傷害・疾病治療補償を厚く
(家族で旅行にいく場合は、家族会員かどうか、家族特約があるのかどうか、またそれは何歳までなのか?の注意が必要ですね。)
今回の家族3人での旅行は次のように考えました。
- 死亡事故に関しては生命保険等でまかなえるのでカード付帯保険で充分
- レンタカーを使用しないので賠償責任も5,000万円で充分
- キャリーケースも安物なので携行品損害は50万円で充分
- 傷害・疾病治療費用、救援者費用は手厚くしたい(特に家族分)
このように考えて、部分的に保険を掛けることにしました。
補償額を追加する
補償額を追加するには次の2つの方法があります。
クレジットカードを追加所有する
クレジットカードを追加所有することで、(傷害死亡の除く)傷害治療費用への補償額を増やせます。年会費無料であれば、コスト無しに追加できますね。
バラ売りの海外旅行保険を購入する
日本損害保険協会のサイトにはこんな文章がありました。
各種の危険(リスク)を総合的に補償する商品のほか、必要な補償だけを選んで契約する、いわゆるバラ売りの商品も用意されています。
いろいろ調べて、手軽にバラ売りの保険が購入できて安価だと思った「たびほ」で家族全員に「治療・救援費用」をそれぞれ補償上限1億円の保険を掛けることにしました。クレジットカードを追加するには日数が足りないことも理由のひとつです。
tabiho.jp
留意点
保険の支払い
病院においてその場で治療費を自己負担することなく治療をうけられるサービスをキャッシュレスサービスといいます。
- VISAゴールド:緊急アシスタンスサービス(本会員・家族会員のみ、家族特約は無し)
- アメックスゴールド:オーバーシーズ・アシスト
クレジットカードの付帯保険でもキャッシュレスサービスはついているものが多いようです。
リスク管理は人それぞれだと思いますし、私が慎重すぎるのかもしれません。ただ、知らなくて後で悔やむことも多い私なので、「たびほ」の費用1万4千円で心配が少なくなるならいいかと思いました。いずれにしても、自分のカードの補償をよく調べた上で、リスクをどう許容するかです。
気づき
ここまで書いて気づいたのですが、きっかけはFPの話でしたが、ジェイアイ傷害火災保険のデータを見て足りない保険を補いました。「たびほ」ってジェイアイ傷害火災保険の商品なんですね。ひょっとするとその手のひらの上で踊っているだけかもしれない(苦笑)。
ネットで検索してみると、保険会社のサイトではクレカ付帯保険の不十分さと高額医療費の事案を指摘しているし、クレジットカードで充分派は「そんなのは煽りだ」って言ってるし。安心感とコストのバランスは人それぞれなので、自分が納得する保険の掛け方が大切ですね。(本来そんなもの)
余談
リスク…って書いていて、リスクマネジメント(リスク管理)のことを思い出しました。Wikipedeiaによると
リスクの回避
マネジメントやプロセスなどによりリスクの発生を回避する。たとえば、手順書を作成したりする。
リスクの低減
本質安全と機能安全などがある。
リスク共有
リスクを他社と分割すること。リスクの転嫁、分散などがある。
リスク転嫁
リスクが顕在化した場合の損失補償を準備すること。保険が掛けられる場合には、有効な対策の一つとなる。この場合、リスクを保険会社に転嫁(または移転)するともいう。
リスク保有
対策を何もしないこと。リスクを受容するともいう。発生頻度が低く、損害も小さいリスクに対して用いる。
海外での傷害疾病による高額医療費のリスクマネジメント(笑)コメント歓迎!
リスクの回避
海外で運転をしない。露天商の食べ物、生水を口にしない。危険なスポーツをしない。海外ではなく国内にする。
リスクの低減
風邪薬、胃腸薬を持っていく。医者(友人)に同行してもらう。
リスク共有
難しいですね。例えばグループ旅行で、お互いが助け合うとか。
リスク転嫁
海外旅行保険。クレジットカードの追加による付帯補償額増額。
リスク保有
リスクを気にせず、お気楽旅に徹する。
*1:全てを金額ベースで表してもらえるといろいろ読み解けることがあるのですが、件数だったり金額だったりするので二次加工が困難です。
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