ANAのプレミアムメンバーは特典航空券が取りやすいって本当?

会員ステータス間で特典予約の取りやすさに差があるのか?

ANAのプレミアムメンバーは上からダイヤモンド、プラチナ、スーパーフライヤーズ(SFC)、ブロンズの各会員です。航空会社のFFP(フリークエント・フライヤー・プログラム)は身もふたもないほど会員間で差をつけるのはご存じのとおりですが、プレミアムメンバーは特典予約航空券が取りやすいかどうかについて調べました。
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今回は、ANAの国際線の特典予約の取りやすさを実際に試したあとに、ダイヤモンでデスクに問い合わせをしました。

特典予約枠をサイトでチェック

成田−シカゴ線

テストしたステータスはダイヤ、SFC、一般会員の3種類です。まずは、成田−シカゴ路線の特典予約枠を調べました。なぜこの路線を選んだかというと、ファーストクラス就航路線で便数が多い(ANA2便+UA1便)ので、空席が比較的多いと思ったからです。2016年6月21日である今日から343日後の2017年5月31日の結果はこのとおり。

成田−シカゴ
ファースト ダイヤ 4席
ファースト SFC 4席
ファースト 一般 3席
ビジネス ダイヤ 6席
ビジネス SFC 6席
ビジネス 一般 4席

成田−シカゴ線の、ファーストクラスの特典予約枠は、ダイヤとSFCが同じ4席、一般は3席です。*1ビジネスクラスの枠は、ダイヤとSFCは同じ6席、一般は4席です。
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東京−ホノルル線

ハワイファンの皆さま、お待たせしました。私も好きです。Aulaniに行きました。
ただ、東京−ホノルル線はファーストクラスの設定がUA便だけなので、ダイヤモンド会員でも「空席または設定がない」旨のメッセージが出ます。
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今日から350日後の2017年5月31日の結果は次の通り。

東京−ホノルル
ファースト ダイヤ 空席なし
ファースト SFC 空席なし
ファースト 一般 空席なし
ビジネス ダイヤ 4席
ビジネス SFC 4席
ビジネス 一般 2席

東京−ホノルル線の、ビジネスクラスはダイヤとSFCは同じ4席一般は2席です。やはりホノルル線は激戦区ですね。シカゴ線が目いっぱい(Webで選べる最多の席が設定されている)なのに比べて、ホノルル線は、そもそも設定枠が少なくなっています。
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ステータス間の違いは?

皆さんお気づきの通り、一般と上級会員には明確な差があります。しかし、ダイヤとSFCとの間には、これらの路線には差はありません。シカゴもホノルルもそれぞれ同じ席数です。では、ダイヤモンド会員のメリットはないのでしょうか?

ダイヤモンドサービスデスクに問い合わせました。結論から言えば、
プラチナとSFCに特典航空券解放枠の差はない。(複数の担当者がそう答えました。そのうち1人は上席に聞いての回答です。)
ダイヤモンドとプラチナ・SFCの間には担当者の個人的な体験では特典航空券解放枠の差があると感じることがある。
(急にダイヤ会員を続ける気合が萎えるワタシ。。。)

このあとニューヨーク路線の7往復分を調べたところ、特典予約の座席枠においてダイヤとSFCで違いがあることがわかりました。

  • 2016年11月14日−18日では、ダイヤはビジネスクラス2人までコードシェア便(スターアライアンス)の予約が取れるが、SFCは1人までしか取れない。
  • 2017年1月11日−18日では、ダイヤはビジネスクラス4人までコードシェア便(スターアライアンス)の予約が取れるが、SFCは3人までしか取れない。

正直なところダイヤとSFCの差は「これだけ?」という気もしますが、サービスデスクの回答の「体験的には違いを感じる」の意味がわかった気がしました。
のりさん、ありがとうございました。

マイルを使ったアップグレードは会員クラスで差があるか?

今度は、アップグレードの話です。
座席クラスの事前のアップグレードには2つの方法があります。ひとつはプレミアムメンバーに贈られる「アップグレードポイント」を使ったアップグレード。もう一つはマイルを使ったアップグレードです。いずれもアップグレード対象のチケット(予約クラス)であれば、可能です。

これは、ご存知の通り、ステータス間の差があります。例えるとこんな感じです。

プラチナ君たちとSFC君たちがアップグレードの順番待ちをしていました。
そこへ、ダイヤちゃんがやって来ました。
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ダイヤちゃんは一番前に割り込みます。ダイヤちゃんは自分より上のクラスなので、プラチナ君やSFC君たちは仕方ありません。
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身もふたもない話ですが、こんな仕組みです。もしもダイヤちゃんの前にダイヤ会員がいれば、ダイヤちゃんはその後ろに並びます。

ちなみにプラチナとSFCの間に差はありません。*2なので、SFCがプラチナに割り込まれることはありません。(この点では、プラチナ維持のために努力する意味がなさそうですね。)
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まとめ

  • 公式*3には、ステータス間で特典予約の席数に差がある。ダイヤ>プラチナ・SFC>ブロンズ>一般会員の順である。
  • 実践的には、ダイヤとプラチナ・SFCの間には特典予約の席数の差はわずかである。(追記参照)
  • 路線によって特典予約の席数に差がある。ホノルル線は激戦区である。
  • 座席アップグレードは、ステータス間で差がある。より上級の会員は、下の会員よりも優先的にアップグレードを受けられる。

余談

資本主義の権化のようなこの仕組みが、顧客を惹きつけているのかもしれないと改めて思いました。これまでは出張の際にはJRに貢いできましたが、このような仕組みを知ってからはANAに貢いでいます(笑)。新幹線だとたくさん乗ってポイント貯めてグリーン車に乗っても、おしぼりが配られるだけだし。。。
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ダイヤモンドサービスデスクのような予約サービスと座席管理の部門は完全に分かれているので、「この路線では◯席が特典予約として開放される」ということは分からないとのことでした。端末を操作して、予約が実際に取れるかどうかが分かるだけということです。この仕組みは常に調整を続けていることでしょうし、外部に知らせるものでもありません。ANAにとって大切なのは、「人生を豊かにするマイレージプログラム」であり続けることですし、私もANAファンのひとりとして、そうありたい(自分の人生を豊かにしたい)ものです。

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*1:4席だと空席待ちになります。

*2:ダイヤモンドサービスデスクで確認しました。プラチナとSFCの間に差がないことは、サポート担当者が上席に確認した上でしっかりとした口調で答えてましたので、間違いないでしょう。

*3:公式にはというのは、ダイヤモンドサービスデスクの回答です。最初に答えていただいた方は、こちらが申し訳なくなるほど答えにくそうでした。もう一人の方は、体験的には差があるように感じるとのことでした。

1 個のコメント

  • you-tokunさん、orivercarnさん、ブックマークをありがとうございます!

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