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気軽にミュージアムに行こう
SINタッチをはじめとして、どこかに飛行機で行ってとんぼ返りするときには、国内であればそのまま帰れますが、海外行きで安い航空券を使う場合には最低滞在日数があるので、1〜2泊しなければならないことがあります。強制的な滞在ですね。さて、どこを観光しようか?と迷っているアナタにおすすめなのがミュージアム(博物館・美術館)です。
ミュージアムは、いわばその国や地域を代表する施設。けっこうなお金をかけて、作られています。しかも料金が安いので、お得です。ミュージアムなんて見るのがタイヘンと思う人も多いのですが、それは全部を丁寧に見るからタイヘンなんです。メリハリをつければ大丈夫。(以前にも書きましたが)具体的には
- まず、展示室をざっと見渡します。
- 気になった作品や展示の前に行きます。
- じっくりと展示や作品の意味(何を主張しているのか、何が描かれているのか、何が起きているのか)を考えます。
- お友達と一緒であればお互いに感想を話すといいですし、自分だけであれば簡単なメモを取ると理解が深まります。
これで、大丈夫。、漫然と見るよりもメリハリをつければ、集中力も高まり理解も深まります。と、偉そうに言っているけど。。。すみません。自分に言い聞かせてるだけです。
と、まあ、こんな感じで、予備知識もなく、シンガポール国立博物館に出かけたのでした。ロクに歴史の勉強もせずに。
シンガポール国立博物館
シンガポール国立博物館(National Museum of Singapore)はMRT(地下鉄のようなもの)ブラス・バサー駅(Bras Basah)から徒歩5分にあります。1887年に建てられた白亜の建物です。
1階:シンガポールの歴史(Singapore History Gallery)
1階はシンガポールの歴史の展示です。大きく分けて4つのエリアがあります。
シンガプーラ(Singapura : –1818)
シンガプーラはサンスクリット語で「ライオンのまち。」これがシンガポールの名前の由来になっているんですね。シンガポール原産の可愛い猫ちゃんの名前にもなってるようです。
700年前にOrang Lautと呼ばれる人々(マレー語で海人)が住み、船を操り漁をしていました。
イギリスの直轄植民地(Crown Colony : 1819–1941)
1989年にイギリス人のラッフル(Sir Stamford Raffles)とファーカー(Major William Farquhar)がシンガポールに上陸します。彼らは現地の支配者と交渉してシンガポールを自由貿易港としてイギリスの植民地とします。
植民地というと暗い印象を受けるかもしれませんが、古き良き時代としてとても好意的に描かれています。
昭南島(Shonan-to : 1942–1945)
1941年12月の日本軍による爆撃、上陸から始まり、1942年にはシンガポールは昭南島に名前を変えさせられました。食料や燃料の欠乏、病気、日本人による暴力や嫌がらせの中で過ごしました。
シンガポール(Singapore : 1945-)
第2次世界大戦後に植民地独立の気運が高まる中で、シンガポールは1959年に完全自治になり、選挙に勝利したリー・クアン・ユー(Lee Kuan Yew)が最初の首相になりました。マレーシアとの合併の紆余曲折を経て、1965年に完全に独立を果たしました。
足取りは重く
以上がシンガポールの歴史の展示です。
正直、かなりへこみました。打ちひしがれました。なにも勉強をせずにノホホンと出かけた私は、ため息ばかりついていました。
前近代→イギリスの下での古き良き時代→日本による迷惑な時代→独立と繁栄のシンガポール
こんな構成でした。歴史に詳しい方は「あたりまえだ」とおっしゃると思いますが、ここまで日本が迷惑だったとは考えてなかった私は、あ”ぁ〜と小さくなっていました。国立博物館の展示がこのようであれば、その教育を受けているシンガポールの人々は、少なくとも日本の占領は迷惑な時代だったと思っているに違いないと思いました。ここで私は迷惑というかなり控えめな言葉を使っていますが、それ以上の酷さだと思っています。
でも、これも事実。(ここでいう事実というのは、シンガポール国立博物館でこのような展示がされていることです。)また、あくまで個人的な感想ですが、展示からは悪意のようなものは感じませんでした。特に「昭南島」展示では、淡々と展示物(事実)を置いていく。そんな雰囲気でした。だから、一層、へこみました。
2階:シンガポールの生活(Life In Singapore)
2階では、テーマ展示になっています。
構成は以下のとおりです。
- 近代の植民地(Modern Colony)
- 昭南から生き延びる(Surviving Syonan)
- 成長(Growing Up)
- シンガポールの声(Voices of Singapore)
- 「Desire and Dager」Goh Seng Chooギャラリー
ここでもやはり、古き良き時代→迷惑な日本→発展の構成です。orz
例えば、古き良き時代の「近代の植民地」は、こんな感じでエレガントな食卓を光で演出しています。
やっぱり思ったのが、「こんなにいい時代だったのに、日本が(余計なことをして)窮乏させ、悲惨な時代にした」。。。ぶち壊した。。。ことです。ふぅ。。。
お互いの理解が交流や平和にとってとても大切だと思ってます。自分にとってネガティブなことも、知って理解することは大切だと思いました。と、自分に言い聞かせてました。
地下:大英博物館の世界の宝物(Treasures of the World from the British Museum)
7つのエリアにわかれた展示で、大英博物館の逸品を展示していました。
- アフリカ
- アメリカ
- ヨーロッパ
- 中東
- アジア
- オセアニア
- 近代美術




素晴らしい宝物の数々なので、シンガポールとイギリスとの深い結び付きの故なのかなと思いました。
後で気づいたこと
- 日本語音声ガイド機器の貸し出しもあるようです。
- 日本語による展示解説もあるようです。私が入館した時は、英語による展示解説を行っていました。
日本語ガイドをされている方々にお話を聞けばよかったです。
施設情報
名称 | シンガポール国立博物館 |
National Museum of Singapore | |
開館時間 | 10時〜19時 |
料金 | 一般:S$10.00*1 |
住所 | 93 Stamford Road S(178897) |
最寄駅 | MRTのブラス・バサー駅 |
備考 | ミュージアムショップあり |
カフェあり | |
Webサイト | http://nationalmuseum.sg |
どんな感情を受け取るとしても、ミュージアムに行くのはいいことだと改めて思いました。と、自分に言い聞かせてます。ふぅ。orz
*1:大英博物館展とセットでS$25
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