3年半分の写真データ、4万4,894枚の写真が一瞬にして消えた話

それは、ある日突然やってくる

空旅を楽しむようになると、旅の写真を撮ることも楽しみの一つになってきます。

撮った写真はどのように管理してますか?私はアドビ社のLightroomというソフトを使っています。日付ごとに管理できてキーワードも付けることができるし、ブログ用のサイズのJPEGデータの書き出しも簡単にできます。もちろん、写真の調整も。

Lightroomは、(プレビュー画像を含む)管理ファイルと写真データが別になっています。サイズの比較的小さな(数十GB)データをノートPC本体のSSDに置いて、サイズの大きな(数TB)写真データを外付けハードディスクに置いてあります。こうすると、Lightroomで画像調整の作業するときにサクサク動作するんです。写真の調整は管理ファイルで行って、JPEGとして書き出すときに写真データを使うってわけですね。(細かい話をすると、ノートPC上の管理ファイルは時々外付けハードディスクにバックアップします。)

2016年から使いだして、今まで3年半分の、約4万5千枚枚の画像データが溜まってきました。家族でいった旅行もあるし、一人旅もあります。写真として撮ったものもありますし、記録として撮ったものもあります。

私にとってはかけがえのないものなので、万一に備えて、写真データが入った外付けハードディスクの写真データをバックアップディスクにコピーを取っておきました。

ところが、ある日。

外付けハードディスクが認識できません。

ノートPCはMacBookなので、ファイル管理アプリである”ディスクユーティリティ”を使って修復を試みましたが、うまくいきません。

バックアップがあるさ

こんな時のために、バックアップ用のハードディスクがあるんです。幸い、昨日にバックアップしたばかりでした。早速、復元しようとノートPCに接続してみました。

本来であれば、2016年から2019年までのフォルダが並んでいて、それぞれの下には日付ごとのフォルダが並んでいるはずなんです。

本来のフォルダ

それが、2017年のフォルダだけが残っていて、その下の日付ごとのフォルダも3つしかありませんでした。

事故後のフォルダ

おかしい。。。なぜ、これだけしか無いの???

困惑する私

いろいろと考えた末にわかったのですが、私はMacのファイル同期ソフトを利用してバックアップをしています。そのソフトは「追加コピー」や「同期コピー」が選べるのですが、「同期コピー」をしていました。つまり、バックアップ元の「写真データディスク」は、バックアップを取るときには既に部分的に壊れていて、残ったフォルダとファイルだけが「バックアップディスク」に同期されてしまったのでしょう。

中途半端に壊れてしまったために、壊れているのを気づかずにそれをバックアップしてしまったのかと。

壊れるんだったらしっかり最後まで壊れろよ!(~_~メ)

しかし、この喪失感は酷いですね。「過去は振り返らない!」といきがってみても、じわじわと心の隙間を蝕んでいきます。まるでミイラになった自分に挿入してくるスライムのように。

魂が抜けた私

サルベージしてみる

写真データディスクはマウントしないため、素人のレベルでは手が出ません。バックアップディスクで消えてしまったファイルを復活する方に注力することにしました。

「Mac データ 復旧」で検索するといろいろ出てきます。「EaseUs(イーザス)」を試してみました。

EaseUs

無料体験版では、どのくらい復旧できるかの目安が表示されます。バックアップディスクは3TBですが、12時間ほどかかって、スキャンが終わりました。残念ながら復活してほしいデータの3割程度しか、復元できそうにありません。しかも階層表示されないために復活データを選んでいくのが面倒そうです。(私がやり方が分からなかっただけかもしれません。なお、個人の感想です。)

自分で復元するのはあきらめて、ハードディスク復旧サービス会社に連絡することにしました。

ハードディスク復旧サービスに頼んでみた

これも「ハードディスク 復旧」で検索するといろいろあります。

その中で一番サイトが詳しそうに見えたデジタルデータリカバリーさんに電話で連絡しました。

日曜にもかかわらず、電話で対応してくれます。受付の後、技術者から電話があって事故の内容を伝えると、「念のため、写真データディスクとバックアップディスクの両方を着払いで送ってください。」とのことでした。

着払いです。ありがたいですね。

そして、診断結果が出たとの電話がありました。写真データディスクは物理的な損傷、バックアップディスクは論理ファイルでの消去。写真データディスクを物理的に修理したほうが良いとのことでした。

復旧率は83.1%だそうです。

そして、その金額は。。。

¥578,664円!!!

ごじゅうナナマンはっせんロッピャクろくじゅうよえん!!!

正直に言うと一瞬悩みました。返事を1日待ってくださいと伝えました。

でも、さすがにこの金額が、個人的な趣味の写真の価値に等しいとは思えません。へっぽこ写真ですしね。

3年前に製造されたハードディスクの部品を調達し、クリーンルームで高度かつ繊細な作業を繰り返す必要があるようなので、この金額は決して高いとは思いません。これが企業の大事なデータであれば、即座に復旧をお願いしたことでしょう。しかし、個人の趣味の写真です。。。とても57万円の価値があるとは。。。ね!

自分に言い聞かせながら、復旧をお断りしました。すみません。

でも、心の中では喪失感でいっぱいです。

泣いている私

再度サルベージを試みる

しつこい私は、再度「Mac データ 復旧」で検索してみました。これも診断までは無料のソフトなのですが、「Disk Drill」を試してみました。ディスクドリルというちょっと怖い名前ですが、これだと階層ごとに表示されて復旧されるファイル数も3万5千枚とかなり多そうです。

ちなみに写真を撮るときにはRAWデータとJPEGを同時に記録するようにしています。復帰してほしいのはやっぱりRAWデータ。ニコンのカメラだと拡張子がNEF、ソニーだとARWですね。

Disk Drill

無料体験版だと診断までしかできなくて、復旧にはお金を払ってPROバージョンにアップデートしなければなりません。費用は、11,566円でした。へっぽこ写真でも、この金額だったら見合うかも。

データの復旧には2日間くらいかかったでしょうか。復旧したRAWデータをLightroomに読み込ませます。残念ながら壊れているデータもかなりありました。ザーッとしたノイズが入っているのが壊れているデータです。

壊れた写真データ

2017年のカリフォルニア・ディズニーのデータがほぼ全滅。でも、最近行った2019年3月のフロリダ・ディズニーはかなり救われました。まだ、ブログに書けていないのでこれはちょっと嬉しい。(カリフォルニア・ディズニーは途中でブログ記事が泊まったままですが(苦笑)。

カリフォルニア・ディズニーのデータがほぼ全滅と書きましたが、家族で写っている写真や「これは」と思った写真は、MacのアプリにJPEGで保存しているので、失われたわけではありません。でも「ちょっといいな」と思ってた写真は全部消失してしまったので、まだまだ喪失感はあります。

また、Lightroomの標準プレビューをノートPCに保存していたので、プレビューはすべて見ることができます。それをスクリーンショットで撮れば、ブログの写真にすることぐらいはできそうです。

教訓

バックアップディスクが1台だけだった

バックアップディスクが1台だけだったために、壊れたディスクを同期して事故が起きてしまいました。

もう1台、バックアップディスクを用意します。

同期コピーによるバックアップをした

今回の事故の発端は、壊れたディスクを同期コピーしてしまったことにありました。これではバックアップディスクが何台あっても、壊れた内容が複製されていくだけです。

(差分)追加コピーであれば問題はなかったはずです。ただし、追加コピーだとバックアップディスクの容量が足りなくなる時が来ます。なので、時には同期コピーをしなければなりません。元のディスクが正常であることを確認してから同期コピーをします。

履歴による復帰ができない仕組みだった

アップルのTIme Machineや多くのクラウド型バックアップシステムでは、バックアップ履歴があり、任意の時点でのバックアップへ復帰することができます。このようなインテリジェントな仕組みであれば、壊れる前のディスクのバックアップまでさかのぼって復帰すればOKです。バックアップディスクのうち1台はこの仕組を採用する必要がありそうです。

喪失感でなかなかブログを書くことができなかったのですが、なんとかここで区切りをつけて、また、楽しい空旅を続けたいと思います。(井の頭自然文化園のリスたちには癒やされて、記事を書いたたけど。)

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