決済用のクレジットカードを1枚だけ持つという条件では断然オススメなのが、ANA VISA/マスター ワイドゴールドカードです。「ANA VISA/マスター ワイドゴールドカード」という長い名前は、2枚のカード(ANA VISAワイドゴールドカードとANAマスターゴールドカード)を一度に言っているからです。ここで、「決済用のクレジットカード」と断っているのは、ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)は陸マイラーであれば絶対に所持しなければならないカードだからですね。この他にお勧めなのがジャックス・エクストリームカードですので、主にこの2種類の比較を書いていきたいと思います。
ソラチカカードについてとカード申込時にマイルが貰える唯一の方法はこちらをご覧ください。
ジャックス・エクストリームカードについてはこちらをご覧ください。
VISAカードとマスターカードの違い
ANA VISAカードとANAマスターカードはどちらも三井住友カードが発行しています。VISAカードとマスターカードの違いは国際ブランドの違いです。今回取り上げるカード以外の他の国際ブランドにはJCBやアメリカン・エキスプレス、ダイナースなどがあります。国際ブランドが異なると使える店舗数が異なるのですが、三井住友カードのサービスデスクによると、世界的に1番なのはVISAであるが、マスターはヨーロッパに強いということでした。日本ではVISAが使えるところはマスターも使えるそうです。無難なのはVISAですね。
ANA VISA/マスターワイドゴールドと書くと長いので、ここではANA VISAワイドゴールドと書きます。
メリット
年会費を下げることができる
ANA VISAワイドゴールドカードの本会員の年会費は14,000円(税抜)です。年会費が無料にできるジャックス・エクストリームカードと比べると、おっ高いなと思いますよね。2つの方法で年会費を9,500円に下げることができます。
1)カードご利用代金WEB明細書サービス
明細書を郵送からWebに変更して、年間6回以上の請求があれば、割引の適用となります。
1,000円の割引(税抜)です。14,000円が13,000円になります。
2)マイ・ペイすリボ
3,500円の割引(税抜)です。14,000円が10,500円になります。
マイ・ペイすリボは、いわゆる「リボルビング払い」です。
「えっ?リボルビング払いって危なくないんですか?」という声が聞こえてきそうですし、そんな内容を扱った記事も多く見られます。確かにリボルビング払いの年利は15%ですから、大きな額をリボルビング払いにしてはいけません。マイ・ペイすリボに登録して1年に1回カードの利用があるだけで年会費の割引が受けられます。ここでは、リボ払いの必要はありません。後に見るように、ボーナスポイントをもらうためにはマイ・ペイすリボを利用しますが、年会費の割引だけを考えると登録だけでいいのです。
ちなみに、リボ払いしないようにするためには、マイ・ペイすリボの設定金額を高くしておくことです。マイ・ペイすリボ登録による割引が適用されるのは、ANA VISA ワイドゴールドカードだけです。一般のANA VISAカード、ワイド、プラチナはありません。
Web明細書とマイ・ペイすリボ登録で、年会費が14,000円から9,500円(税抜)になります。
ANAカードである
ジャックス・エクストリームカードはANAカードではないためにその特典が受けられないのですが、ANA VISAワイドゴールドはANAカードなのでいろんな特典が受けられます。
・フライトのボーナスマイルが貯まる
フライトのボーナスマイルは次のように計算されます。
区間基本マイレージ(①)×クラス・運賃倍率(②)×プレミアムステイタスまたは利用カード別積算率(③)=ボーナスマイル
ANAカードを持っていなければ③が0%なので、ボーナスマイルはゼロです。一般カードでは10%、ANA VISAワイドゴールドでは25%になります。
例をあげましょう。ANA VISAワイドゴールド所有で、羽田−那覇を普通席で搭乗すると
984マイル×75%×25%=184マイル
がボーナスマイルとしてもらえます。
ちなみに、ANA VISAワイドゴールドで決済する必要はありません。所持しているだけでフライト時のボーナスマイルが付与されますのでとてもお得ですね。
・ANA FESTAや機内販売で10%の割引が受けられる
A-styleでは5%の割引が受けられます。
・エコノミーでもANA国際線ビジネスカウンターでのチェックイン
ワイド会員以上であれば、ANA国際線ビジネスカウンターでのチェックインができます。
・Apple Payに対応している
ANA VISAワイドゴールドはApple Payに対応している(ジャックス・エクストリームカードは未対応)ので、iPhone7やApple Watch Series 2での支払いが可能です。
最高レベルの還元率を誇る
手数料無料の10マイルコースで1%のANAマイル還元率
ANA VISAワイドゴールドのポイント(通常ポイントと呼びます。)は1000円に対して1ポイントです。このポイントを10マイル(ANA)に交換することができます。手数料も不要です。
これだけでも1%のマイル還元率です。
マイ・ペイすリボの登録と利用でボーナスポイント
マイ・ペイすリボは、「年会費を下げる」でも出てきたリボルビング払いのことです。年会費を下げるためにマイ・ペイすリボへの登録をお勧めしましたが、リボ払いの利用をすると、通常ポイントと同じ額のボーナスポイントがもらえます。リボ払いの利用のためには最低でも1円以上の金利を発生させなければなりません。金利が数円程度になるように毎月リボ払いする金額を調整する手間はかかりますが、この手間をかければ通常ポイントと同じ1%のポイントがもらえます。
ただし、ここで説明する手順が「めんどうだな」と思うひともいるかもしれません。その場合は無理にしなくてもいいです。ステージによるボーナスポイントを狙いましょう。
通常ポイント(1%の還元率)はそのままANAマイルに移行できますが、ボーナスポイントはそのままマイルに移行すると還元率が0.3%になってしまいます。そのため、ソラチカルートを使います。2017年4月からボーナスポイントは新たにPeXと交換できるようになりました。こちらがお勧めです。
ボーナスポイントをソラチカルートに乗せてみましょう。*1
ボーナスポイントの1ポイントは、PeXの50ポイントになります。
PeXからメトロポイントの交換は定額で500ポイント(50円相当)交換手数料がかかります。定額なのでなるべく一度に多くのポイントを交換しましょう。(定額なのでここでの計算では交換手数料を無視して算出しています。ご容赦ください。)50PeXポイントは5メトロポイントになります。
5メトロポイントは4.5マイルになります。
還元率をパーセントで見ましょう。0.45%のマイル還元率になります。
通常ポイント(1%)とボーナスポイント(0.45%)を合わせて1.45%の最大還元率になりました。
ステージによるボーナスポイント
ANA VISAワイドゴールドには、前年度の決済金額に応じたボーナスポイントもあります。
前年の2月~翌1月で決済した金額(年会費や手数料を除く)で得たランクで今年のボーナスポイントの計算が決まります。
前年度金額 | ステージ | ポイント付与 |
300万円以上 | V3 | 50万円で300ポイント以降10万円ごとに60ポイント |
100万〜300万円 | V2 | 50万円で150ポイント以降10万円ごとに30ポイント |
50万〜100万円未満 | V1 | 50万円で100ポイント以降10万円ごとに20ポイント |
前年度の決済金額が300万円を超えたV3のステージだと、(既に年間で50万円の決済をしていれば)10万円に対してボーナスポイントが60ポイントもらえます。これをソラチカルートでは最大267マイル(端数切捨て)になります。還元率で言えば0.267%です。
最大1.71%のANAマイル還元率
通常ポイントの1%、マイ・ペイすリボの0.45%、ステージによるボーナスの0.267%を合計すると1.71%(小数点第2位切捨て)のANAマイル還元率になります。
年会費無料のジャックス・エクストリームカードの最大1.78%には及びませんが、最高レベルの還元率です。
全国28の空港でラウンジが無料
ゴールドカードなので当然なのですが、全国28の空港でラウンジが無料で利用できます。スーパーフライヤーズ会員(SFC)になっても、ANA以外の他社便に乗る時はANAラウンジには入れませんので、カード会社ラウンジに入れると便利です。
デメリット
このカードはとてもお勧めでデメリットはあまりありません。オールインワンで、ANA中心の陸マイラーであれば最強のカードだと言えます。
強いて言えばという程度であげましょう。
マイ・ペイすリボの落とし穴
年会費を下げるためとボーナスポイントを獲得するためにマイ・ペイすリボへの登録と利用をしますが、ちょっとした落とし穴があります。
あくまでも、マイ・ペイすリボを利用した時のデメリットです。
リボルビング払いカードになってしまう
マイ・ペイすリボに登録するといわゆるリボルビング払いカードの扱いになります。ほとんど影響はないのですが、一部の英会話学校などで使用できないことがありました。(QQイングリッシュは以前は使えない時がありましたが、現在は使えます。)サービスデスクの話によると、英会話学校の倒産などの問題がありリボルビング払いのカードが使えない場合があるんだそうです。私は(泣く泣く)他のカードで決済していました。
月末にうっかりすることが
マイ・ペイすリボは毎月一定の額を定めておき、超える金額がリボ払いになります。例えば毎月10万円をカードで決済しそうだと思うと、10万円を一括払い額として登録します。10万円を超える金額が自動的にリボ払いになります。
しかし私たち陸マイラーの目的はリボ払いで金利を支払うことでは決してありません。僅かな金利でボーナスポイントを得ることが目的です。そのためには毎月の一括払い額とリボ払い額を調整しなければなりません。だって、カード決済金額は毎月変動しますよね。だから金利が発生する最低限の金額を残してあとは一括で払います。
一括払い額の調整はWebサイトからでもできますが、サービスデスクに電話して調整もできます。私はサービスデスクに毎月電話しています。
さて、デメリットの話でしたね。月末にこの調整をする時に、次のような残高でした。
10万円の一括払いの設定をしているので、リボ払いに回るのは1730円。マイ・ペイすリボの年利は15%です。月額の金利が22円なので「まあいいか」なんて思っていると、実際のカード決済額は40万円超えでした。Webで表示される請求合計額は、(リボ払いを除いた)一括払い額+前月からの支払い繰越額などが表示されます。今月の決済額合計ではないんです。このままにしておくと30万円がリボ払いになるため、1ヶ月間で4千円近くの金利を払う羽目になってしまいます。
わかりにくいと思うので、もう一度繰り返します。Webで表示された101,730円は、今月の支払額であって、30万円がリボ払いに回っていきます。気をつけていればいいことですが、うっかりミスはなかなか無くせないものです。
このうっかりを避けることもあって、私はリボ払いの調整をサービスデスクに電話してお願いしています。「200円をリボ払いにしたいけれど、金利は発生しますか?」と尋ねれば、キチンと教えてくれます。今月の支払額も教えてもらって確認してうっかりミスをなくしています。
金利を発生されるための金額ですが、理屈から言えば100円あればいいと思いますが、念のため200円程度の設定をお願いしています。(ちなみに、初めてマイ・ペイすリボで金利を発生させる場合は、利息の計算期間が異なる場合があるのでサービスデスクで相談してください。)
まとめ
初心者ANAマイラーが1枚だけ決済用のカードを持つのであれば、このカードをお勧めします。ANAカードでありSFCまでこれで済む(その時はANA VISAスーパーフライヤーズ ゴールドカードに切り替わりますが)ので、他に選択肢はありません。長く持ち続けられるカードですね。
初心者陸マイラー向けとしてジャックス・エクストリームカードとANA VISAワイドゴールドカードを紹介してきましたが、この他では、カードをキャンペーンに応じて渡り歩くのもいいと思います。ダイナースクラブも味のあるカードだと思いますし、フライトが多い人(出張族やSFC修行僧、JGC修行僧)にとってはアメックスのスカイトラベラー・プレミアや通常カードもいいですし、ホテルではアメックスのスターウッドプリファード カード(SPG)も人気です。これらのカードではいろんなキャンペーンが行われています。それで、しっかりとマイルをもらいましょう。
最後に繰り返しますが、決済用カードでマイルを貯めるのは補助的なものです。ポイントサイトで貯めるのが本流です。ポイントサイトで貯める方法はこちらを参考にしてください。
- WEB明細書サービスとマイ・ペイすリボでの登録で年会費が10,500円に下がる
- ANAカードなので、25%のフライトボーナスマイルがもらえる
- ANA FESTAや機内販売で10%の割引が受けられる
- 最大1.71%のANAマイル還元率になる
- 月末にマイ・ペイすリボのリボ払い金額調整を忘れないこと
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*1:交換の際の切り捨ては考慮しません。
Conoさん、いつもお世話になっております。私も毎月「明細書の見方が分かりにくい」と感じながら手計算していました。電話イイですね♪
ドクターMさん、コメントをありがとうございます。
実は、電話魔のconoです。ボーナスポイントの対象になるかどうかを含めて丁寧に教えてもらえるので重宝してます。
ときどき混み合ってますけど。
旅Mさん、いつもブックマークをありがとうございます!